私は阪急電車を利用している。
住んでいる場所が特定されてしまうが、阪急千里線の始発駅「北千里」から終点の大阪で一番ディープな場所である「天下茶屋」駅で南海線に乗り換える。
コロナ禍になってから、職場では、「早出出勤」「通常出勤」「遅出出勤」の3種類の選択肢が出来た。
・シフト1 始業07:30 ~ 終業16:30
・シフト2 始業09:30 ~ 終業18:30
・シフト3 始業10:30 ~ 終業19:30
から選べる。
私はもちろん、早く行くリスクより、早く帰れるメリットを選んでシフト1出勤にした。
丁度、実家でのトラブルがあり、「実家ロス」で頭がぼんやりさんになってい頃に、不思議な出会いがあった。
そもそも、堺勤務になってから約9年間ずっと私は阪急電車の前から5両目、向かって一番後ろの右側一番端が安心できる定位置でそれが私のルーチンだった。
ところが、ある時期から足の悪いちょっとおデブなおばさまが杖をついて途中駅から、毎日同じ車両乗ってくるようになった。
私もかなりのおデブなのでかなりキャラがかぶった。
しかも、天下茶屋駅で降りると「前から5両目」は降りて何歩か歩けばエレベーターという好都合の位置だった。
けっこうこの車両はエレベーター狙いのイツメンだった。
Osaka Metro 天下茶屋駅の車両図
なのだが!!!
おデブのおばちゃんは、少し遅れて杖をついてエレベーターに乗ってくる。
ごっつい体格にスタジャンのおじさんとか、なぁぜ?日本なのにごっつい毛皮着てるの?的なおじさんとか、スリッパにジャージで会社行っちゃう?的なおじさんとか、皆さん我関せず、誰が降りるか!という雰囲気。
さすがに天下茶屋という駅のせいか気のよさそうで降りてくれそうなスーツ姿の人はいないし、いかんせん誰も降りようとはしない。
なので、トコロテン方式でおデブ同士の交代ということで恥ずかしそうに私が降りるはめになる。
そんなことを懲りもせず毎日繰り返していた。
しかも、親切の譲り合いをしたせいで座って行けるはずの南海電車の普通に間に合わず立って特急で堺まで行き、更に普通乗り換える羽目になる。
さすがにエレベーターに乗っては譲るというアホな行動にやっと気づいた私は、後ろから2両目、向かって一番手前の右側一番端に初めて移動した。
そこは、天下茶屋駅では、降りてすぐエスカレーターがあるベストポジションだった。
そもそもが私は、端が好き。もう片方に人が来ないからだ。恐らく誰もが同じじゃないだろうか。心理学的に端を選ぶ。しかも、最終駅で降りる時に出口と対面の右奥または左奥を好む。
しかも北千里駅も天下茶屋駅も終点の始発なので、必ず安心の定位置である。
その車両は、毎回おしゃべり好きなおばさまが2人仲良く乗っている車両だった。
1人の細身の方おばさまは北千里~関大前、もう一人のおばさまは、山田~淡路まで乗っている。
ある日細身のおばさまの方が乗っていない日があった。
私は、少し小太りのまんまるした可愛いおばさまの席の向かいで、カバンの取ってから紐がタラタラと出てきたので必死に戻そうと押し込んで直していた。
そしたら、声を掛けてくれた。
「安全ピンでね、引っ張れば直るよ。貸してごらん。」
とおばさまが持っていた大きめの安全ピンでパンツのゴム通し方式で直してくれた。
それから毎日、おばさまと私の朝のお決まりトークが始まった。
なんだか不思議なのだが、私と話した次の日から細身のおばさまは来なくなった。
来なくなる前の日に、坂道でこけてマスクの下は歯が折れて大変な事になっていたらしい。
で、翌日から来なくなってしまった。
なんなんだろうこの巡り合わせは。
でも、ただ電車の中で会うだけのおしゃべりする仲らしく、来なくなったことをおばさまは特に気にしていなかったし、LINEやメールも交換している仲でもなかったので、連絡先も知らないらしい。
でも、そのおばさまが言うには、毎日会う20年来の仲だったと。
実家ロス、トコロテン方式で車両を変え、おばさまの向かいの車両に行き、おしゃべり友達のもう一人のおばさんが来なくなる。
どう考えても偶然が重なりすぎじゃないだろうか。
嘘みたいな話だけど本当に不思議な出会いだった。
続きはまた明日ね。
ではまたぬん
*このかぁいいパンダのイラストはイラストバンク パンダ支店のページからいただきましたよ。